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『クリスマス・イブ』 マーガレット・W・ブラウン、(絵)ベニ・モントレソール、(訳)やがわ すみこ

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
ほるぷ出版
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(2003-11)

まよなかのことでした。
それも クリスマスの そのばんでした。

クリスマス・イブの夜。あたりはしんと静まりかえり、窓の外は雪がふっています。
けれども2階のベッドのなかでは、遠い空を駆けめぐるとなかいたちに耳をすませ、寝たふりをしながら心躍らせる子供たちがいたのです。
「みんなで したへいって クリスマス・ツリーにさわって おねがいごとをしよう」
しずかにしずかに、息をひそめて・・・まよなか、子供たちの冒険が始まりました。

寝静まった父さんと母さんを起こさないよう、そうっとそうっと足音をしのばせ階段をおりる子供たち。下の廊下はまだ温かで、クリスマスのあたたかなにおいがします。
そして、暖炉の残り火にきらきらときらめくみごとなクリスマス・ツリー!
ほんとうに、ワイズ・ブラウンさんはふつうならば見逃してしまいそうなちいさな物音や気配までもあまさずに伝えてくれる魔術師ですね。このおごそかな静寂をとじ込めた世界観を、モントレソールさんの黒とオレンジと黄色だけで描かれた美しい絵が、いっそう惹きたててくれています。

胸をどきどき高鳴らせる子供たち、しずかに流れゆく聖なる時間、大人たちに伝わるクリスマスのしきたり。ひらいた頁のどの場面もほんとうに素敵。
どこからともなく、「きよし このよる」の歌声が聴こえてくるようです。

(原題『ON CHRISTMAS EVE』)
Author: ことり
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