<< 『クマの名前は日曜日』 アクセル・ハッケ、(訳)丘沢 静也*prev
『つみきのいえ』 平田 研也、(絵)加藤 久仁生 >>*next
 

『注文の多い料理店―宮沢賢治童話全集4』 宮沢 賢治

「宮沢賢治童話全集」の第4巻。
第3巻を読んでから、うっかり2年以上も経ってしまいましたが・・・またのんびり少しずつ読んでいきます。
本は待っていてくれるのです!(というのは大好きな小川洋子さんのことば)

さて。第4巻には、私が賢治さんの童話のなかでもっとも好きなお話のひとつ『注文の多い料理店』が入っています。久しぶりの再読に胸がワクワク・・・。
イギリスふうの兵隊の恰好をしたふたりの紳士が猟に出て道にまよい、喜んで入った「注文の多い料理店」でとほうもない経営者からかえって注文されてしまう、というお話。ドアにはうるさいくらい注文が書かれてあり、開けても開けてもつぎのドア。なかなかテーブルにつくことができません。
ついさっきまで「なんでもかまわないから、早くタンタアーンと、やってみたいもんだなあ。」とか、犬が死ぬと「じつにぼくは、二千四百円の損害だ。」などと言っていた軽薄な紳士たちが「注文」の意味をとり違え、勘違いしていくさまが可笑しい。壺いっぱいのクリーム、おとぼけ山猫たちの会話、そして、どうと吹いてきた風が告げる幻想の終わり・・・物語のディテイルに至るまでほんとうに大好きです。
『土神ときつね』と『ガドルフの百合』のお話も、かつて出逢ったことのある素敵な物語。可愛らしいものも、謎めいたものも、彼の童話をいつもぼんやりとてらしている幻燈が、いまのほうがひどく哀しい光を帯びて映るのはなぜかしら。すぐれたお話は読むほどに人を惹きつけ、そのたびに新しい感情をつれてくるものなのだ・・・そんなことを改めて思います。

『よくきく薬とえらい薬』、『車』、『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』、『注文の多い料理店』、『土神ときつね』、『チュウリップの幻術』、『茨海(ばらうみ)小学校』、『ガドルフの百合』
Author: ことり
国内ま行(宮澤 賢治) | permalink | - | -
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -