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『わたしのメルヘン散歩』 矢川 澄子

『ハイジ』や『若草物語』、『大草原の小さな家』『アリス』など、珠玉のメルヘンを紡いだすぐれた子供の本の作者たち――シュピーリ、オルコット、ワイルダー、キャロルなど、十二人の女性作家と七人の男性作家をとりあげてその創作の秘密をたずね、夢を追う子供たちの世界へ読者をいざなう香気高いメルヘン案内。

矢川さんらしい切り口に、はっとするような新しい発見がいっぱいです。
あとがきには「これは作家論でもなければ作品論でもない。」と書かれていますが、どちらかといえば物語からではなく、それを書かれた作家の人生をみつめ、そちら側からのアプローチによっている本。
小さな頃にくり返し読んだ親しいはずのお話も、その作者のこととなると知らないことの連続で(あっ、恥ずかしながら知らない作家さんもいらっしゃったのですが・・・)、彼ら彼女らの人生を矢川さんというフィルターを通してほんのすこしだけ覗かせてもらう、それだけでお気に入りの物語をもう一度みつめなおすきっかけになりそう。

そしてこの本は、ひらいた時にまず目にとび込んでくる一ばん最初の文章が、ゾクゾクするほど素敵なのです。それはこんなふうにはじまります。
本とはふしぎな王国だ。そこにはこの世のあらゆるものごとが生きながらにとじこめられている。
本たちはおとなしい。白い紙の上につつましくくりひろげられた、黒い文字の織りなすレース。そのとばりのかげに数々の驚異をひそめながら、彼らはあくまでも沈黙のうちにやすろうている。頁をひらき、この文字という暗号を読み解かないかぎり、すべてはひっそりと眠ったままだ。
・・・ほらね。ふしぎな王国を思いっきりめぐってみたくなったでしょう?
Author: ことり
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