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『悪魔のりんご』 舟崎 克彦、(絵)宇野 亜喜良

評価:
舟崎 克彦
小学館
¥ 1,470
(2006-11)

木枯らしのふきさらしている荒野を、ぼろぼろのマントをまきつけてひとりの男が歩いていました。男は悪魔でした。
このところすっかり魔力もうせて、行くあてもない、そんな年老いた悪魔のまえに、お母さんとはぐれてとほうにくれているジプシーの少女があらわれます。
あまりの空腹に、この「うまそうなむすめ」を食べてしまおうとたくらむ悪魔。けれども彼をいいおじさんだと信じこんでいる少女は、悪魔がしかけた毒入りりんごをおじさんのためにとっておこうと考えました・・・。

少女のやさしい心にふれて、悪魔が悪魔でなくなってしまうお話です。
根っからの悪魔だったはずなのに、あろうことか彼は悪事を働くか否かで葛藤をはじめるのです。
少女のぷるぷるした唇や色っぽいまなざし、悪魔のひどいわし鼻やぎょろりとした瞳など、宇野亜喜良さんのイラストが独特の雰囲気をつくり上げていて、どのページもうっとりとため息をつきながらながめました。そうして私は、悪魔がこのあともずっと幸せに暮らしたことを知ったのでした。
(だってほら、ラストまぢかのこのりんごの木・・・!)

――それにしても、「毒」と「りんご」はほんとうによくお似合い。
Author: ことり
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