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『あかいくつ』〔再読〕 アンデルセン、(絵)いわさき ちひろ、(訳)神沢 利子

キリスト教の儀式である堅信礼の日に、ふさわしくない赤いくつを履いていった少女・カーレンの物語です。
赤いくつの魅力にひかれ、大切な人の看病もわすれてダンス・パーティにとびだしたカーレンは罰をうけ、赤いくつとともに踊り狂います。踊りをやめようとしてもとまらない足。脱ぎ捨てようとしてもぴったりと足にくっついたままのくつ。彼女はとうとう罪人の首を切る男に、足を切り捨ててくれるように頼みました・・・。

子供心にとても怖いおはなしだと思ったことを憶えています。「赤いくつ」と聞くといまでも、足くびを切り捨て、からだから離れたあとも、そのままくるくる踊り続けた赤いくつの残像が脳裡によみがえるほど・・・。
ピアノの発表会のとき、私も赤いエナメルのくつがどうしても欲しかった。女の子にとって赤いくつは憧れの象徴のようなもの。幼い少女に神様のあたえた罰はあまりにも残酷ですが、キリスト教で堅信礼という儀式はそれほどまで敬われなければならないものなのでしょう。
赤いくつを履いてずっとずっと踊りつづける可憐な少女。はかなさと残酷さが、いつまでも鮮烈な印象をのこす絵本。にじむようないわさきちひろさんの水彩画が、アンデルセンの信仰の世界をみごとに描き出しています。

(原題『De roede scoe』)
Author: ことり
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