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『孔雀の羽の目がみてる』 蜂飼 耳

中原中也賞受賞の現代詩界のホープが、身の回りの情景や心震わす書物を、鋭く澄んだ目で見据え、繊細で鋭敏な五感と言葉でつづった待望のベストエッセイ集。

丁寧に、丁寧に、毎日を生きている人。感じている人。
蜂飼耳さんの瞳をとおしたら、日常はこんなにも色濃く鮮やかに映る・・・ありふれた風景がとくべつなひとこまになるさまをつぎつぎに目撃した気がして、心がなんども立ち止まりました。
このエッセイ集は大きく3つに分かれていて、気脇常のできごと、生きものなどについて、兇脇表颯┘奪札ぁ↓靴藁垢里海函⇔浩茲能舒ったことなどが収められています。斬新でするどい視点で切りとられた風景たちに、時折のぞかせる女性らしい素直な感性。そのバランスが心地よくて、なんだかとても嬉しい気持ち。
「隠れていること、見えないこと、淘汰される声、声、声。そういったものは現実の裏側にはりついて、常にどこにでもある。詩の言葉はそれらを掬いあげる網かもしれない。」 蜂飼さんが詩について書かれている一文です。蜂飼さんの詩集――彼女の網にかかった現実の裏側のかけらたち――を読んでみたくなりました。

過ぎ去った時間を簡単に忘れることができるひとと、いつまでもそれに縛られつづけるひと。どちらが幸せかというようなことではなく、どちらも、それぞれに生存の方法なのだろう。そうだ、それぞれに、と考えると、現在という瞬間につながることの重みが一層はっきりと見えてくる。「また」とか「ふたたび」という言葉は、ときおり悪気もなく現実を薄める。ほんとうは、どんなこともたった一度なのだ。


■ この本に出てきた読んでみたい本たち <読了メモは後日追記>
『きつねの窓』→読了 安房 直子
『太宰治 滑稽小説集』→読了 太宰 治
『アルネの遺品』→読了 ジークフリート・レンツ
『年を歴た鰐の話』 レオポール・ショヴォ
『陰翳礼讃 東京をおもう』→読了 谷崎 潤一郎
Author: ことり
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