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『セシルの魔法の友だち』 ポール・ギャリコ、(訳)野の 水生

花栽培の農家に住むセシルは、ペットショップで出会った「てんじくねずみ」に、たちまち心を奪われる・・・。
セシルの成長にあわせた4つのお話を収録する。小さな動物と少女の間に、魔法の時を、奇蹟の時をもたらす作品集。

なんてかわいらしいお話なのでしょう!
南仏の小さな町カンヌを舞台に、少女セシルと、とびっきりのアビシニアンてんじくねずみ・ジャン=ピエールがくり広げる‘恋’の物語。
両親の愛情をいっぱいに受けてそだつセシルが「いちばん大切な存在(父さん母さんをのぞいて)」のジャン=ピエールに出逢ってからの日々は、地中海にふりそそぐ日ざしのようにあたたかで柔らかく、そして波乱万丈です。4つのエピソードのうち、3つめの『ジャン=ピエール、世界をめぐる』がこの本一ばんの山場。最高におもしろくて、ドキドキしながらページをめくった私でした。

心やさしい少女の視点から描かれていく世界の美しさ、すばらしさ、繊細さ。そんななかに作者はこっそりと大人のずるさや人間の心の弱さなどをしのばせています。
せつない場面もたくさんだけど、でも読後につつまれるのはたっぷりとした幸福感。セシルとジャン=ピエールの愛と信頼は、さまざまな奇蹟をよび起こすのです。
魔法・・・それは誰もが自分のなかにもっている、ちょっぴり不思議な力なんだね。

(原題『JEAN-PIERRE OMNIBUS : THE DAY THE GUINEA-PIG TALKED,THE DAY JEAN-PIERRE WAS PIGNAPPED,THE DAY JEAN-PIERRE WENT ROUND THE WORLD,THE DAY JEAN-PIERRE JOINED THE CIRCUS』)
Author: ことり
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