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『権現の踊り子』 町田 康

『鶴の壺』、『矢細くんのストーン』、『工夫の減さん』、『権現の踊り子』、『ふくみ笑い』、『逆水戸』を収めた短編集。
つらつらと流れていく独特のリズム。言葉がうねる、ねじれる、押しよせる・・・そんな感じでつぎつぎくり出されていく文章なのに、町田さんの小説はいつも可笑しくて、そしてどこかにもの哀しさを感じさせます。まるで‘泣き笑い’みたいな人間味あふれるそんな雰囲気が好き。

一ばんのお気に入りは、『工夫の減さん』。
生活のなかでさまざまな工夫をこらすのに、それが祟ってことごとく失敗してしまう減さん。料理でも結婚でも、なんでもかんでも。それでも減さんは工夫をやめません。なぜって、いつも通りの方法や手段をとるよりも一工夫してやったほうが嬉しい、面白い、愉快だと思っているから。
お金にもルーズな減さんは、友人からすればかなりはた迷惑な人なのだけど、やっぱりどこか憎めない、そんなふうに描かれています。自業自得だと突き放してしまうこともできるけれど、減さんの堂々めぐりっぷりからは男の哀愁すら感じられて・・・。やりきれなさと可笑しさのさじ加減が絶妙!なところがたまらなかったのです。
Author: ことり
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