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『見知らぬ場所』 ジュンパ・ラヒリ、(訳)小川 高義

評価:
ジュンパ ラヒリ
新潮社
¥ 2,415
(2008-08)

妻を亡くしたあと、旅先から葉書をよこすようになった父。仄見える恋人の姿。ひとつの家族だった父と娘がそれぞれの人生を歩む切なさを描く表題作。子ども時代から行き来のあった男女の、遠のいては近づいてゆく三十年を三つの連作に巧みに切り取った「ヘーマとカウシク」。
ニューヨーカー等に書きつがれた待望の最新短篇集。

さりげなく、ほんのりと、心によりそう物語たち。やがてじわじわと沁みてくる、しずかな愛を感じます。
アメリカに住むベンガル系移民の暮しが丁寧につむぎ出された、おもに家族たちの短編集は、曖昧なすれ違い、どうしても分かり合えない幻滅や失望・・・そんな人びとの孤独な思いがひたひたに満ちていて、だからこんなにも痛くせつなく、私は泣きたくなってしまうのかな・・・。

心がしん、と静まり返って、まるでみずうみの底にでもいるかのよう。
そしてどの物語も、さわさわと、こまかな水の泡のような余韻が残ります。

(原題『Unaccustomed Earth』)
Author: ことり
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