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『オテル モル』 栗田 有起

評価:
栗田 有起
集英社
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(2005-03-04)

「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアンがお客様に提供したいもの、それは最高の眠り、そこからみちびかれる最良の夢です」
地下にあるという会員制ホテル「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」。
最下階は十三階、客室は九十九。営業時間は日没から日の出まで。
快眠を提供する不思議なホテルで、フロント係として働くことになった希里の物語。

ああ、ステキ。とてもステキな存在。
「最高の眠り」のために徹底した設備・趣向をこらしたホテルも、そして希里にこのホテルの仕事の何たるかを教えてくれる、客室係の外山(そとやま)さんも。
ひっそりとして、それでいて奇妙な整合性のあるこの魅惑の空間に、ただもううっとりと憧れてしまいました。オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン――その静けさ、ディテイル描写のひとつひとつは、どことなく小川洋子さんの小説世界を思わせます。
ただちょっと息苦しかったのは、読み進めば進むほど心にのしかかってくる主人公・希里の痛々しくやっかいな家庭環境。できればもう少し安らかな気持ちでこの魅力的なホテルの物語にひたりたかったかも・・・。
Author: ことり
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