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『長い長いお医者さんの話』 カレル・チャペック、(訳)中野 好夫

評価:
カレル・チャペック
岩波書店
¥ 756
(2000-06)

チェコの文豪、カレル・チャペックさんのおしゃれなおとぎ話7編。
『長い長いお医者さんの話』、『郵便屋さんの話』、『カッパの話』、『小鳥と天使のたまごの話』、『長い長いおまわりさんの話』、『犬と妖精の話』、『宿なしルンペンくんの話』――どれもこれも、本の頁を前についつい笑顔がこぼれてしまうお話たちです。
世知がらい世の中に嫌気がさしてる? それならたとえばこんなお話はどうかしら。

『郵便屋さんの話』
チェコの郵便局には妖精が住んでいるそうです。
妖精たちは手紙にさわるだけでその手紙があたたかい手紙か、そうでない手紙かが分かり、真夜中になるとそれらをつかってカードゲームに興じます。そんな妖精たちの様子を、うっかり寝すごした郵便屋さんがそっと見ていました。
ある日のこと、とてもとてもあたたかく、けれど宛先も差出人も書いていない手紙が郵便局に舞いこみます。こんなあたたかい手紙が届かないなんて!郵便屋さんは妖精たちの力をかりて、宛先不明の手紙を届ける長い長い旅に出ることになり・・・。

魔法使い、カッパ、天使、妖精、七つ頭の怪獣・・・それらがすんなりとけ込んでいるやさしい世界。人情深い人びとのゆかいな物語たちにいつのまにか心地よくのせられている・・・そう気づいたとき、胸のなかはあたたかなものでいっぱいのはず。
チェコの郵便局で夜ごとおこなわれる妖精たちのカードゲーム。
プラハを流れるヴルタヴァ川の氾濫は、ずっと上流に住んでいるカッパのしわざ。
にわとりが空をとべない理由はね・・・。
「ふとしたはずみから、ふだん見なれていたものを、まるで新しい目で見なおすようなことが、だれでもよくある」・・・この本にでてくるお医者さんの言葉です。これらのお話を読んでいると、‘いま見えている現実’をちがった角度からみてみたくなります。
そういえば、チェコを旅行したときに遭ってしまった大洪水(2002年夏のあの大洪水です)、あれはカッパのしわざだったんだなあ!

(原題『Devatero Pohádek Karla Čapka』)
Author: ことり
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