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『いっちばん』 畠中 恵

評価:
畠中 恵
新潮社
¥ 1,470
(2008-07)

摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若だんな・一太郎に持ち込まれるは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件。大人気「しゃばけ」シリーズ第七弾。

約一年ぶりに刊行されたシリーズの最新刊です。
『いっちばん』、『いっぷく』、『天狗の使い魔』、『餡子は甘いか』、『ひなのちよがみ』の5つのお話が入った短編集は、お馴染みの妖(あやかし)たちがオールキャストで活躍するお話から、厚化粧のお雛ちゃんの素顔が明らかになるお話まで・・・今回もヴァラエティに富みつつ安定感のあるおもしろさ。

私のお気に入りは、4話めの『餡子は甘いか』。これは三春屋の跡取り息子・栄吉が不器用な自分をなげくお話です。
いっこうに上手くならない菓子づくり・・・おまけにライバルまで現われて・・・。追いつめられた栄吉のつらい気持ちがきりきりとこちらに伝わり、けれどそのぶんじんわりしみる読後感が際だつようでした。
妖を見ることができない栄吉目線で描かれたお話ですが、シリーズをずっと追いかけてきた私たちにはその物音や気配から「あっ、いまのはきっと鳴家のしわざね!」なんて察しがついてしまう・・・そんなワクワクするような書かれ方も楽しい。
Author: ことり
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