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『わたしを束ねないで』〔再読〕 新川 和江

女性のもつしなやかさな強さ、水のように雲のように変幻自在のおおらかさ。
解き放たれたい願望や、人生への問いかけ、あふれる母性。
女に生まれ、恋をして、妻になり、母になる・・・その折々の感情が、流れるように美しい日本語でうたわれていく詩集です。
『わたしを束ねないで』は私が中学生のころ大好きだった詩。教科書に載っていたこの一編の詩は、読むたびに私の時間をぐぐっと巻きもどし、心に湧きあがらせるあまずっぱくて懐かしいせつなさ・・・。

わたしを束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱のように
束ねないでください わたしは稲穂
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色(こんじき)の稲穂 (『わたしを束ねないで』より)

この詩を朗読してくれた先生はもう亡くなってしまったし、少女だった私は大人に、そして妻になりました。これから先も――たとえば母になり、おばあさんになっても――私のなかで色褪せることはきっとないのでしょう。
ほかにも、『Cinzano』、『外出ぎらい』、『骨の隠し場所が・・・』などなど大好きな詩がたくさん収められているこの本は、淡い小花柄の表紙が見た目にもかわいらしい手のひらサイズのハード本。女性にはとくにおすすめの一冊です。
Author: ことり
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