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『放課後の音符』 山田 詠美

大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。
まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々――。
背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。好きな人のいない放課後なんてつまらない。
女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。

キスってどんな感じなのか想像したり、だれかに心の底から愛されてみたいとつよく願ったり、そんなことなどを思い出して、なつかしいような胸の一部がキュンとなるような、忘れてしまいそうになっていた思春期の頃の自分が心によみがえってくる・・・この本を読みながら、私はそんな感覚を楽しんでいたようです。
‘本物の恋’に憧れて、でも現実はなかなか‘本物’をつれてきてはくれなくて。この本は、「あーあ、つまんないの」そうつぶやいていたあの日の私そっくりな少女たちの憧れやため息でいっぱい。
ある主人公の先輩は言いました。
「あなた、素敵素敵って言うけど、素敵な恋は、悲しい気持をいつも引きずっているのよ」
また、ある主人公の父親はこう語ります。
「待つ時間を楽しめない女に恋をする資格なんてないんだよ。言い変えればね、いつ恋に落ちても大丈夫っていう自信のない女は、むやみに人を好きになんてなっちゃいけないんだ」
そしてあとがき――詠美さんから‘放課後が大好きな女の子たち’へのメッセージ。
若いということは、はっきり言って無駄なことの連続です。けれど、その無駄使いをしないと良い大人にはならないのです。

いくつもいくつも目にとび込んでくる、宝物みたいな言葉たち・・・
この本を、10代のうちに手にしなかった自分をくやみます。タイムマシンがあったなら、高校時代の私のところへ飛んでいって言ってあげたいな。「さあ、いまこの本を読むのよ」って。
Author: ことり
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