<< 『フランシスのいえで』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ*prev
『放課後の音符』 山田 詠美 >>*next
 

『くまとやまねこ』 湯本 香樹実、(絵)酒井 駒子

評価:
湯本 香樹実
河出書房新社
¥ 1,365
(2008-04-17)

突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまったくま。
くまは死んでしまったことりをうつくしい箱に入れて、大切に肌身離さず持ち歩きます。けれどもやがてかなしみのあまり、暗く閉めきった家にとじこもってしまい・・・。

せつなくて、うつくしくて、胸がしめつけられる。
「ねえ、ことり。きょうも『きょうの朝』だね。きのうの朝も、おとといの朝も、『きょうの朝』って思ってたのに、ふしぎだね。・・・ぼくたち、いつも『きょうの朝』にいるんだ。ずっとずっと、いっしょにね」
だけど時間は動いているし、「きょうの朝」は、いつもの朝とはかぎらない。
大切な人をうしなったとき、まるで自分までどうかなってしまった気がして、かなしみに押しつぶされて時間は死んだように動かない気がするものだけど、でもかなしみをすこしずつ癒してくれるのも時間なんだね・・そう思わせてくれる絵本でした。
時間がもたらしてくれたあたらしい出会いに、ほのみえるたしかな光。明るい未来が待っているおはなしってやはりいいなあと思います。

「そうだよ、くま。ぼくはきのうの朝より、あしたの朝より、きょうの朝がいちばんすきさ」

湯本香樹実さんの本はつねに‘死’と深く結びついているイメージがありますが、このおはなしの駒子さんの絵はほんとうにぴったりです。モノトーンのなかにちらりとピンクの差し色が使われているのも思い出がいきいきとよみがえるさまや心が再生していく様子をやさしく温めてくれるみたいで素敵だし、やまねこが弾いてくれたバイオリンの音色はじっさいに耳元でひろがるよう。
この絵本の頁をめくってみた瞬間、大好きなマリー=ホール=エッツさんの絵本『もりのなか』をどこか彷彿させたのですが、これは私の気のせいかしら?


湯本香樹実さん、酒井駒子さんのサイン会に出かけました。
サイン本です↓ <2008年9月追記>
Author: ことり
国内や・ら・わ行(その他) | permalink | - | -
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -