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『フィンガーボウルの話のつづき』 吉田 篤弘

世界の果てまであと、どのくらい――。
「クラフト・エヴィング商會」の吉田篤弘が生んだ物語の小宇宙。ビートルズのメロディがつなぐ16+1の短篇。
「世界の果てにある食堂」を舞台にした物語を書きあぐねる吉田君は、奇妙な連作小説を予告して消息不明となった謎の作家=ジュールズ・バーンを知る。「物語」の入り口を探し求める吉田君がいつしか迷い込んでいたのは、バーンが企んだ連作の世界なのか――。

この本、好きです。ものすごく好き。
ひとつひとつのお話がぜんぶ頭のなかにうかんで動き出すよう。ゴンベン先生の言葉にふんふんうなずき、大中小のトリオのやりとりに微笑んで・・・。まるでひと文字ひと文字がうたっているみたいなのです。

あたたかなものがどこからともなくしみしみとにじみ出て、いつのまにかニコニコしている自分に気づく・・・そんな幸福感とビートルズの音楽にみたされた、やさしくて心地よい物語たち。
世界の果て食堂、シシリアン・ソルト、閑人カフェ、レインコート博物館、そして、シリアル・ナンバー付きの「ホワイト・アルバム」――この本を読んでいると、世界じゅうのすべてのものが物語をもっている・・・そんなふうに感じられるはず。
このステキな世界はぜひ一度読んで味わってみてほしい、そう思います。

「この世でいちばん哀しいのは、一度も語られることのなかった物語たちと一度として奏でられることのなかった音楽たちだ」
Author: ことり
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