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『風花』 川上 弘美

評価:
川上 弘美
集英社
¥ 1,470
(2008-04-02)

日下のゆり、33歳。システムエンジニアの夫・卓哉と結婚して7年。
夫の裏切り、色褪せていく愛・・・
いまにも終わろうとしている結婚生活を描いた長編小説。

じりじりともどかしいお話です。まるでいっこうに上がらない長雨みたい。
主人公ののゆりは、とてもぼんやりとした子供じみた人。川上さんのお話にでてくる女性はみな基本的にとりとめのない人だけど、この人はそういうのともちょっとちがう感じなのです。
離婚をほのめかされても、夫と向き合うことすらぐずぐず先延ばしにしてしまい、「こんなんじゃだめだ、がんばれわたし」なんて自分に言い聞かせるのに、そのくせ年下の男の子とデートをしたりして、時間はずんずん過ぎていく・・・無口で意思がよわく、並はずれたおっとり屋さん。
ずいぶんのんびりではあるけれど、それでもゆるやかに少しずつ、のゆりもお話も前進していきます。移り変わる季節とともに。
「あるはずのないものなのに、
そこにあることがものすごくしっくりきていたから」
文中にあったこんな言葉に、思わず結婚生活というものを投影させてしまったのは、主人公とおなじ、私が主婦だから?

のゆりのペースに心を合わせて読むことはちょっとむずかしかった私ですが、ややこしくやっかいな気持ちのうつろいを、こんなふうに繊細に、感性豊かに描けるのはやっぱりすごいなあと思いました。
ゆるゆるとした物語の流れを愉しみたい方に。


サイン本です↓
Author: ことり
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