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『わがままなやつら』 エイミー・ベンダー、(訳)管 啓次郎

評価:
エイミー ベンダー
角川書店
¥ 2,052
(2008-02-29)

鳥籠で飼われる小人、かぼちゃ頭の両親から生まれたアイロン頭の子供、その指に10の鍵をもつ少年・・・幻想と現実のよじれの中に人々の交わり、痛み、愛を深く鋭く描き出す。
文句なしの絶品、五感が震える15篇。

足元にぽっかりとあいた闇に心がすくむ。
どのお話もエキセントリック。不思議で、痛くて、少しさみしい。
その描き方はどこかつめたく突き放しているようにも見えるのに、エイミーさんのまなざしはやさしくて、孤独で繊細な人たちにそっと寄りそうのを感じます。
夢うつつのあわいを裸足で散歩するような・・・心細くすらあるおとぎ話めいた世界にうかび上がるなまなましい‘人間’たちの姿。そんな彼らのありさまが、いまにも頽れそうな物語たちの手綱をきゅっとにぎりしめてくれているのでしょうか。
光と闇のあいだ、あたたかさとつめたさのあいだで。

旅先で立ち寄った奇妙なお店のお話『果物と単語』と、心やさしいアイロン頭の男の子の哀しみを描いた『アイロン頭』が、とくにたまらない。
帯にあった江國香織さんの推薦文が素晴らしかったので、最後に引用します。

エイミー・ベンダーの小説世界は、野の花のように荒々しい。
このような物語は、ほかでは味わうことができない。
それはつまりこういうことだ。味わいたければ、野にでなければ。

(原題『Willful Creatures』)
Author: ことり
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