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『道化師の恋』 金井 美恵子

ありふれた大学生・善彦は元女優との情事を題材に小説を書いて作家デビュー。その後、今度は人妻の桜子と恋をする。そんな新人作家の‘なりゆき’にいろんな人がからみ、どんどんと拡がっていく物語。

ひとつの文章がとにかく長いので(延々と、このまま何頁続くのかしらと思うくらいに)こういう文体に慣れていない私は初めのうち戸惑ってしまいました。
けれど、知らず知らずその無邪気ともいうべき言葉たちの行進に引きこまれ、まるで追い風に後おしされるようにスイスイ読み進めていたのです。

物語は、とても日常的。
とくに食事のメニュウやおしゃべりなどのこまかい表現がおかしくて笑ってしまいます。映画や小説のお話が多いのも特徴。
凡庸な人びとが、みんながみんな打算やら思惑やらを抱えていて、なんだかな〜、なんて思いながらも、ふと気がつけば夢中で頁をめくっていた私でした。
文章の独特のうねりに翻弄され、どっぷりと耽る――なんて幸福な読書タイム。

ちなみに、『文章教室』『タマや』『小春日和』『道化師の恋』で「目白4部作」とひと括りにされているそうですが、どちらから読んでも支障はないみたいです。
Author: ことり
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