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『ロンメル進軍』 リチャード・ブローティガン、(訳)高橋 源一郎

小説家ともうひとつ、詩人という肩書きをもつ著者の詩集です。
フランケンシュタインから大きな鍵穴を連想したり、月面につけられた足跡はズッキーニそっくりだと言ってみたり・・・。小説『西瓜糖の日々』でも感じられた不思議でみずみずしい感性を、日常の話し言葉にまじえてサラサラつむいでいく彼の詩たちは、さりげないのだけど奥行きが深くて感心します。

この本には、私にとって、なんど読んでも心がざわめく一編が収められています。
それは疲弊していく愛の詩。こういう詩です。

三十七歳 
彼女はもうすっかり疲れてしまった
結婚指輪、これはいったいなにかしら
彼女は空っぽのコーヒーカップをじっと見つめている
まるで死んだ鳥の口でも覗き込んでいるみたいだ
夕食は終わり
夫はトイレに行ってしまった
でもすぐ戻ってくるだろう、次は彼女がトイレに行く番だ (『レストラン』)

(原題『ROMMEL DRIVES ON DEEP INTO EGYPT』)
Author: ことり
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