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『うろんな客』 エドワード・ゴーリー、(訳)柴田 元幸

評価:
エドワード ゴーリー
河出書房新社
¥ 1,050
(2000-11)

カギ鼻あたまのヘンな生き物がやってきたのは、ヴィクトリア朝の館。
とある一家の生活の中に、突然入り込んできて、そして、それから・・・。

マフラーを巻き、白いシューズを履いて、突然あらわれたヘンなやつ。どこかうらやましげに館のなかをのぞき込み、つぎの瞬間には壺の上にきょとんとたたずむ立ち姿・・・そこからお話は始まります。
緻密なモノクローム線画のかたわらには、独特の韻をふんだ原文とセンスあふれる短歌調の訳文――「うろんな客」だなんてタイトルも素晴らしい――。このシュールさ、まぎれもなく大人のための絵本です。

ふと気づいたらそばにいて、うろちょろしては迷惑ばかりかけてくれるこのやっかいな生き物は、くり返し読むうちにどこかで会った・・・ううん、それどころかよく知っている存在に重なり合ってくるから不思議。
無垢で身勝手で、なのになぜか憎めない、ほら、あの・・・!
訳者あとがきでは、あるひとつの存在を挙げてくださっています。すごく納得!でもそれと決めつけて読んでしまうのは勿体ないな・・・そんなことも思ってしまいました。読む人それぞれが身近な誰かを「うろんな客」に当てはめてニンマリする、そういう自由な読み方が一ばんこの絵本に合っていそうな気がするから。

It joined them at breakfast and presently ate
All the syrup and toast,and a part of a plate.
夜明くれば 朝餉の席に加わりて
パンに皿まで 牛飲馬食
It was subject to fits of bewildering wrath.
During which it would hide all the towels from the bath.
ともすれば 訳のわからぬ むかっ腹
風呂のタオルを 一切隠蔽
It would carry off objects of which it grew fond.
And protect them by dropping them into the pond.
気に入りし 物をひそかに 運び去り
池に投げ入れ 保護に尽力

(原題『The Doubtful Guest』)
Author: ことり
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