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『あれも嫌い これも好き』 佐野 洋子

100万回生きたねこ』の作者・佐野洋子さんのエッセイ。
この人の文章は信用できる・・・私がこの本を読んでいて一ばんに感じたこと。
「すいか泥棒の思い出にウットリ」、「金とともに有料老人ホームに母を捨てた」――えっ、こんなこと書いていいの? そう思わせるような文章たちは、世間の常識だとか道徳の枠など取り外してくれそうな自由な空気をふくんでいます。

死んでしまった弟さんについて書かれたこんな一文が心にのこりました。
自分が弟の手を強く引っぱったことを思うとダラダラ泣き、でも次の日はケロッとして、思い出す時だけダラダラ泣きました。
テレビなどで、「誰それを忘れたことは一時たりともない」「毎日泣いて暮らしました」そんな台詞を耳にするたび、ほんとに?一時も?毎日?なんてついつい疑っちゃういじわるな私には、佐野さんの言葉はよっぽど真実にひびいたのです。

この本は3部構成なのですが、機閉日新聞掲載分)がとくに素敵でした。
なんだろう・・・佐野さんの文章には、いやおうなく心がはだかにされてしまうの。
よぶんなものがはぎ取られて、気がつくと、私ははだかの子どもになっていました。
Author: ことり
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