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『ふた子の星―宮沢賢治童話全集2』 宮沢 賢治

「宮沢賢治童話全集」の第2巻。
『やまなし』も『雪渡り』も美しくなつかしい。ほんとうに、この人はなんて澄んだ瞳で世の摂理を紡ぐのでしょう。それはまさに森の木々や小鳥たちにこっそり教えてもらったお話のように。
はじめて読んだなかで私が一ばん好きなお話は『いちょうの実』。
小さないちょうの実たちが北風にのっておっかさん(いちょうの木)からこのあといっせいに旅立つ、そんな朝の風景が描かれています。
ことし生まれたのは千人の黄金色の子どもたち。とちゅうで目がまわらないか心配する子、未来をゆめみる子、勇気のある子、あわてんぼうにのんびり屋さん・・・いろんな個性がいて励ましあい助けあう様子は、さながら私たち人間の卒業式。淋しさと期待で胸をいっぱいにしながら未知の世界に巣立った日のことを思い返しました。
北風に無数の実が吹き飛ばされるありさまを、賢治さんらしいみずみずしい感性で描いてみせてくれています。

『やまなし』、『ありときのこ』、『いちょうの実』、『雪渡り』、『黒ぶどう』、『かえるのゴムぐつ』、『気のいい火山弾』、『ふた子の星』、『めくらぶどうと虹』、『黄いろのトマト』
Author: ことり
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