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『マルコの夢』 栗田 有起

評価:
栗田 有起
集英社
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(2005-11)

姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。
幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか・・・。
マルコとは?奇妙な冒険譚。

パリのレストランでキノコ係になった一馬が、幻のキノコをさがすお話です。
とにかくキノコ。どこまでもキノコ、キノコ、キノコ。
こちらが怯むくらいキノコの存在感が満ちていて、ふわふわと覚束ないふしぎな感じにつつまれてしまいます。
菌糸にからめとられていくみたいにみんなを引き込んでいくキノコの魔力。読みすすむうちに、私もいっしょに変なふうにねじれた世界に誘われて・・・、この幻覚のような陶酔がたまらないのです。

「すべてはキノコの計らいなのです。」
「食べる」というどこか艶っぽくて残酷な行為に、「キノコ」という食材はなんてぴったりなんでしょう。湿った質感、キッチュな形状、かぐわしい香り・・・ほんのり不気味で時に毒々しい神秘的な佇まいがそのままこのお話の雰囲気。
サイドを固める登場人物たちもなんとも奇抜で可笑しくて、物語を怖くかわいくイイ感じに歪めてくれています。
Author: ことり
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