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『ふりむく』 江國 香織、(絵)松尾 たいこ

評価:
江國 香織
マガジンハウス
¥ 1,404
(2005-09-15)

私にとって物語は「見る」ものです。見て、それを文章にするのが仕事だと思っています。
こんなふうに語る江國さんが、松尾さんのイラストを見て文章(お話というほど長くありませんがストーリーがうかんできます)をつけられたコラボレーション・ブック。
私は松尾さんの絵の光と影のとらえ方がとても好き。鮮やかな色でぺったりと塗られているのに、ふさふさした毛並みや吹き抜ける風や日ざしのきびしさなどがきちんと伝わってくるところに惹かれ、じっと見入ってしまいます。
のびやかに描かれたカラフルな絵と、黙々と遊ぶ子供みたいに言葉を選んだという江國さんの文章。おたがいの自由気ままな感じが、すごくステキでした。

かなしげな瞳で‘ふりむく’シーズーのイラスト。
この絵にそえられた文章が、心の一ばん深いところに届きます。

さようなら。
私はもうあなたのものではありません。
たぶんもともとあなたのものではなかったのです。
行かなくてはなりません。
これはつけたままでいいですか。
赤は好きな色ですし、似合うとも思っていて。
さようなら。
もうお目にかかりません。
でもすこしだけ、誰かのものになれてうれしかった。
Author: ことり
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