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『牛乳アンタッチャブル』 戸梶 圭太

「寝てんじゃねえよ。経営陣」 抱腹絶叫のサラリーマンバトル!
戸梶圭太がブッ放す怒涛のエスカレーションノベル!牛乳会社を突然襲った、大地震!無能な経営陣を倒すため、社員たちは、決起する。

大手牛乳会社・雲印(くもじるし)乳業で製造された低脂肪乳によって引き起こされた大規模な集団食中毒。
一消費者の老人が牛乳をのんで苦しみながら嘔吐するシーンからはじまるこのお話は、食中毒が西日本で猛威をふるい大事件に発展していくさまを個性あふれる文章でいっきに読ませ、ぐいぐい引きずり込んでいってくれます。
でたらめな経営陣に絶望した人事担当役員・柴田勝一とその腹心・宮部富雄は、会社の腐ったぶぶんを容赦なく切りとばすために立ちあがり特別調査チームを編成。こうして幹部相手のクビキリバトルがはじまるのですが・・・?!

もーうなにコレ、なにこのハチャメチャっぷり!
実際の牛乳食中毒事件を下敷きに描かれているものだから、もっとハードな企業小説を想像していた私・・・、まったく裏切られてしまいました(よい意味で)。
あの牛乳会社からクレームが来たりしないのかしら?なんていう心配もいつのまにやらどうでもよくなってしまって、どこまでもおもしろおかしく脱線していく登場人物たちには、ただただ笑い転げるばかりなのです。
だけどあまりにも感情がむき出しで、それほどリアルでもない彼らにみょうに親近感がわいてしまうのは、もしかしたら私たちの心の奥底にひそむさまざまな鬱憤やストレスを、飾らずに代弁してくれているせいなのかも。

本を読みながら声をたてて笑ったのは、ほんとうに久しぶり。
体じゅうの陰鬱なものは、すべてクリーンに一掃されたような気がします。
・・・なんだか牛乳がのみたいな。
Author: ことり
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