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『邪魔』 奥田 英朗

評価:
奥田 英朗
講談社
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(2001-04)

始まりは、小さな放火事件に過ぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる――。現実逃避の執念が暴走するクライムノベル。

渡辺裕輔は、中退した友人たちとつるみ、不良ぶっている17歳の高校生。
久野薫は、妻子を交通事故で亡くした36歳の刑事。
及川恭子は、サラリーマンの夫と子供がいる34歳の主婦。
この3人を軸に、彼らの平凡な日常が崩れてゆくさまを描いています。

退屈だけど平穏があった。
幸運はなかったけれど眠れる夜があった。
あって当たり前の‘日常’。それをうしないかけたとき、初めて人はそれが‘幸福’だったということに気づくのかもしれません。
とっくに壊れてしまったものをなにがなんでも守ろうとがむしゃらにしがみつく彼らの必死さ、焦燥感がすさまじくリアルで、そのあまりの逸脱ぶりに息をのむ私。
知らず知らずのうちに歯車は狂っていき、どんどん深みにハマっていく蟻地獄・・・この本を読んでいると、いまの何のへんてつもない生活がむしょうに愛おしく感じられてくるのです。
Author: ことり
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