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『図書館の神様』 瀬尾 まいこ

評価:
瀬尾 まいこ
マガジンハウス
¥ 1,260
(2003-12-18)

大学を出て、海の見える高校で講師をすることになった清(きよ)。
アクシデントがきっかけで、ずっと打ちこんできたバレーボールをやめた彼女は、コーチとしてバレーボールにかかわりたいと思いたち、適当な気持ちで教師になった。
でも清は、皮肉にも文芸部の顧問にさせられてしまう。図書室に重い足をはこぶと、そこにいたのはたった一人の部員・垣内君だった。
ろくに本を読まない清にとって、それはまったく納得のいかない仕事。私生活でも、不倫相手の浅見さんにたいして淋しさや苛立ちがつのる。そんな彼女の人生を、意外にも文芸部が変えてゆく・・・。
「のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする。」

私も、小学5年から中学3年までバレーボール部の選手でした。陸上競技(短距離)にも小学5年から高校3年まで並行して打ちこみました。いっぽう読書も大好きで、小さな頃からよく本を読む子でした。
スポーツと読書は一般的に両極端で、どちらか片方に傾倒している人もきっと少なくないですよね。そういう人たちが自分の感覚の範疇を超えるものを受け入れられず、できれば嫌なことなどしたくないのは仕方のないことなのかもしれません。
だけどスポーツも読書も大好きだった私には、このふたつ――いわば動と静――はおなじ延長線上にあるように思えます。瀬尾さんはもしかしたらそのことを、中学の頃にしていたサッカーよりも本を読むことがおもしろくなってしまった少年と、スポーツ馬鹿だったのにそれを取り上げられてしまった講師とのさわやかな交流を通して伝えたかったのかな・・・私にはそんなふうに感じられました。

清にとってのカミサマは図書室にいたわけだけど、誰にもカミサマはいるのかな。
私にも、あなたにも。
カミサマは思いもよらない場所に、近くに、いるのかもしれない。
――自分を、ほんとうの意味で‘救ってくれる’人。
Author: ことり
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