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『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂 幸太郎

「現在」
大学進学のために仙台に引っ越してきた椎名は、アパートの隣の部屋に住む河崎に、いきなり一緒に町の本屋を襲おうと誘われた。おなじ階に住む「アジア出身の丁寧語で喋る外国人」が辞書を欲しがっているので、広辞苑をプレゼントしたいのだという。

「二年前」
ペットショップの店員をしている琴美は、ブータンからの留学生・ドルジと同棲中。そのころ、町では動物を攫っては虐待して殺すという悪質な事件が相次いでいた。琴美とドルジは、立ち入り禁止の公園のなかで、偶然その犯人らしき3人組と遭遇してしまう。

「現在・1」「二年前・1」「現在・2」「二年前・2」「現在・3」・・・というふうに、椎名と河崎のやりとりがメインとなる現在のお話と、琴美とドルジ、そして河崎の3人がメインとなる2年前のお話がかわりばんこに進んでいく物語です。
「二年前」に登場していながら、「現在」に出てこない人たちはどうしたのかしら・・・そんな興味もあり、いっきに読み進めてしまいました。この2つの時間が交差した時の驚きもよかったけれど、それ以上に、すべてが分かった時にうかび上がってくるそれぞれの登場人物たちの想いがすごくよかったのです。
あの時の言葉はこの言葉につながり、その奥にはこんな想いが秘められていたんだ・・・ひとつひとつの言葉が二重三重もの‘意味’をもってひびいてきて、胸がキュっと小さく鳴きました。

「神様を閉じ込めに行かないか?」
物語の最後は切ないけれど、やさしい透明感につつまれて――。
ミステリーにはめずらしく、たっぷりとした余韻がのこる本。おすすめです。
Author: ことり
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