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『白夜行』〔再読〕 東野 圭吾

評価:
東野 圭吾
集英社
¥ 2,052
(1999-08)

続編(『幻夜』)刊行ということで、約4年半ぶりに読みかえしてみました。
はじめて読んだときはこんなにも複雑な小説だという予備知識がぜんぜんなくて、途中でなんども戻り難儀した記憶があったので、今回はノートをそばに置き、かなり念入りに書き出しながらの読書。こうして読み終わる頃には複雑な(というか、ぐちゃぐちゃの・・・)「人物相関図」ができ上がっていたのでした。
スケールの大きさと、細部にいたるまで緻密に設計された伏線には、いまさらながら舌を巻きます。私が書き出した登場人物の総数はなんと47人。そして47人をそれぞれに結ぶ線が、蜘蛛の巣のごとく張りめぐらされていました。
その巣の中心で何本もの糸を放っていたのが、桐原亮司と唐沢雪穂。
この、二人です。

物語は、1973年に大阪の小さな町で起こった「質屋殺人事件」に端を発します。
被害者は質屋を営む桐原洋介。彼は当時まだ小学生だった亮司の父親で、また、洋介と最後に会った質屋の客・文代の娘が、おなじく小学生の雪穂でした。
容疑者は何人もあがっていながらも、やがて事件は迷宮入りに。
しかしどうしてもあきらめきれないのが笹垣潤三という刑事。その後笹垣が執念で追うこととなった、19年にもおよぶ長い長い二人の「白夜」が世相とともに描かれます。
女らしいふるまいを身につけ、猫を思わせるアーモンド形の目と妖艶な魅力で人びとを惹きつける雪穂。そして彼女のまわりで次々と不幸になってゆく人びと・・・。
その影で、常に働き続けた得体の知れない黒い力とは――?!

邪魔者を排除し、偽りで塗りかためられた二人の人生に、太陽は存在しなかった。
読み終えた後には、冷えびえとした、えも言われぬ切なさが残ります。
Author: ことり
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