<< 『白夜行』〔再読〕 東野 圭吾*prev
『蹴りたい背中』 綿矢 りさ >>*next
 

『幻夜』 東野 圭吾

評価:
東野 圭吾
集英社
¥ 1,890
(2004-01-26)

これだけ読んでもじゅうぶん楽しめるように書かれていますが、『白夜行』を事前に読んでおくことがこのお話を最大限に楽しむためのヒケツかも。すでに読まれた方も、できれば直前に読み返されることをおすすめしたいです。
このお話と『白夜行』とは、こまかなぶぶんでかなりリンクしているから。

1995年1月17日。西宮。
瓦礫と粉塵のなか、金銭トラブルの末に叔父を衝動的に殺めてしまった水原雅也のそばで、新海美冬は妖しげにたたずんでいた。
未曾有の大惨事・阪神大震災の朝に出逢った男と女の壮大なミステリー。

『白夜行』にはまったくなかった、主人公(桐原と雪穂)目線の描写。
今回のお話に、『白夜行』とくらべて‘男の哀愁’みたいなものをより強く感じるのは、雅也目線で描かれるぶぶんがたくさん出てくるせいでしょうか。女性側(美冬)目線の描写は相変わらずないことが、いっそう彼女の‘魔性の女’度を際だたせているみたい・・・。桐原と雅也の印象がかなり違うのも、もしも桐原のしていたことを‘普通の男’がせざるを得なくなったとしたらどうなるか、そんな位置づけで雅也は描かれているように思えます。桐原はそれだけ特殊な魅力をもった人物だったといえるかも。
――いったい、美冬とは‘誰’なのか。
読んでいるあいだ、ずっとずっと私につきまとっていたナゾでした。東野さんはそこかしこにそのヒントを散りばめてくれているけれど、それでも推測はできても矛盾点が最後までのこされてしまう、そんなちょっといじわるな描かれ方をしています。
そしてこのラスト・・・、まだまだ先は続きそうな予感。もやっとした思いがのこるのも、このお話にかぎってはおもしろさの証しなのです。
Author: ことり
国内は行(東野 圭吾) | permalink | - | -
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -