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『肩ごしの恋人』 唯川 恵

評価:
唯川 恵
マガジンハウス
¥ 1,470
(2001-09)

女は綺麗で、セックスがよくて、一緒にいて楽しいこと以外、何が必要なの?――美貌を武器に、人が欲しがるものはなんでも欲しがり、人がいらないと言ったとたんに興味をなくしてしまう女、るり子。
男もセックスも好きよ。だけど、男もセックスも信用してないわ。――レイプされた過去を持ち、そのトラウマからか、どこかで結婚にたいして嫌悪を抱いてしまう女、萌。
5歳からの幼なじみ。対照的な彼女たちは、けれど互いをきちんと認めあっている。そんなふたりの内なる成長をさわやかに描いた第126回直木賞受賞作。

離婚、不倫、ゲイ、家出少年、未婚の母・・・ほんと言うと、ストーリーにとりたてて新鮮みがなかったのもたしか。けれどすごくおもしろかったのです。
るり子のキャラクターが際だっていることと、ぽんぽん勢いよく発せられる彼女たちの台詞がイマドキの独身女性の心情をよく表していて、私にとって共感できる箇所――もちろん、るり子にしたって萌にしたってすこし極端すぎるのだけど、心の奥の小さな鈴がかすかに共鳴する――そういうぶぶんがたくさんあったせいなのかも。
ちょっと思いきったことを書いてしまえば、ほとんどの女性のなかに‘ふたり’は棲んでいるのではないかしら・・・。女性の方ならたぶん、私の言いたいことをわかってくれるはず。
この本はきっと、女性なら多かれ少なかれ思い当たる心の奥の‘るり子’や‘萌’を、少し大げさに映しだした鏡のようなもの・・。るり子も萌も、けっして最後までめげないところが、読後感をさわやかなものにしてくれました。
Author: ことり
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