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『High and dry(はつ恋)』 よしもと ばなな

評価:
よしもと ばなな
文藝春秋
¥ 1,260
(2004-07-23)

世界はきっと、目に見えないこともいっぱいにつまった風船みたいなものだ。

主人公は、14歳の少女・夕子。
夕子はある秋の日に、絵画教室の先生・キュウくん(20代後半)と、他の人には見えない不思議でキラキラとした奇跡を共有します。
そして、夕子は彼に恋をしました。
この一瞬はまさに永遠で、ふたりは魂のままの姿にうっかりなってしまい、ただその心の目で同じものを見て、同じところに存在したということ。別々の人間がたまたまひとつになった、それは本当に美しく、ありえないはずの瞬間だったのだ。
それは夕子が生まれて初めて、ひとを‘好き’になった瞬間――。

年の割におとなびた考え方をする夕子と、年の割に精神年齢が低いキュウくんの淡い恋を描いたお話です。
おなじものを見て、おなじことを感じる奇跡・・・ふたりは年の差だとかいろんなものをとびこえて、魂で繋がれているのかも。だけどこの本のほんとうの魅力は、これが恋愛一色の物語ではなくて、ちょっぴり特殊な家庭環境で育ってしまった夕子とキュウくんが家族について真剣に考え、そして成長していくところにあると思います。
キュートな挿絵もひと役かって、本をとじたあとは心がぽかぽか温かくなりました。
Author: ことり
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