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『切手帖とピンセット―1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ』 加藤 郁美

一般の人々が海外旅行をすることがまだ難しく、夢のように思われた1960年代。ペンパルとの文通にわくわくしたり、切手の蒐集によって、海の向うの国への憧れを手に入れたり。郵便が通信の花形で、切手がいちばん輝いていたころ・・・そんな時代の切手を中心に、東欧のかわいい切手、精緻で美しい北欧の切手、南米のあざやかなデザインの切手、アジアの不思議な切手などなど、1154枚をぎっしり詰め込んだ切手帖が、豪華執筆陣によるコラムと詳細なデータ織り込んで、オールカラー184ページの素敵な本になりました。

いろんな国の、それぞれの時代をうつしたかわいい切手がずらずらら〜〜。
ながめているだけで楽しくて、ウキウキしてしまう一冊です。
少女の頃に会ったことのない子と文通をしていたり、いまでもクリスマスに友だちとカードを贈りあったり・・・私は昔から切手を「集める」よりも「使う」タイプの人だから、こんなふうに各国の切手をいっぺんに見渡せる本はとても新鮮で楽しい。そして単なるかわいらしい切手カタログ、としてだけではなく、その切手が発行された国の歴史や政治的事件などが知られるのも興味深かったです。

手紙や小包にそっとよりそい、誰かの思いを遠くはこぶためにつくられた夢みる存在、素敵な切手たち・・・。そんなちいさな紙片のむこう側にひろがる宇宙をたっぷりと堪能できる、とても濃密な本。
ほんとうに誰かの切手帖をみせてもらっているような気分になる、ちょっぴり懐かしい風合いの切手ディスプレイ――本そのもののデザインもすごくおしゃれです。
Author: ことり
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