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『この本が、世界に存在することに』 角田 光代

『旅する本』、『だれか』、『手紙』、『彼と私の本棚』、『不幸の種』、『引き出しの奥』、『ミツザワ書店』、『さがしもの』、『初バレンタイン』――本をめぐる物語9編に、あとがきエッセイ『交際履歴』が加わった、本への愛情と敬意にあふれた短編集。

本が大好きな私にとっては、たまらない一冊でした。
本って生き物なんだなあ・・・いま改めて、そう思う私です。
幼い頃から私を楽しませ、慰め、勇気をくれた、いくつもの物語や言葉たち。
人生や価値観を変えてくれた本、しんどい時に救ってくれた本、頬ずりしたくなるくらい愛おしい本・・・でもそれらの本たちも、読む時期や心境がちがえば印象はがらりと変わってしまうのかもしれないし、その本がこの世に生まれ、そして私たちが‘出逢う’ことこそがすごいことだと思うから。

『さがしもの』
病床の祖母から、ある一冊の本をさがしてほしいと頼まれた十四歳の羊子。
けれどその本は絶版になっているらしく、大きな書店から古本屋までいくらさがしても見つかりません。
本を見つけられないまま祖母は他界、そしてある夜羊子の前に幽霊としてあらわれ「おばあちゃん、死ぬのこわかった?」と訊く羊子にこう胸をはります。
死ぬのなんかこわくない、死ぬことを想像するのがこわいんだ、と。
「いつだってそうさ、できごとより、考えのほうが何倍もこわいんだ」

本を読んでいて心にのこる言葉に出逢った時は、すごく、すごく嬉しい。
小学生のころ、『星の王子さま』で出逢った「かんじんなことは、目に見えないんだよ」というキツネの言葉は、今も、いつも胸にある。
無限に広がる世界とストーリー、それから心震わす言葉との出逢いに胸をふくらませ、私は今日も本をひらくのです。

「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」(『ミツザワ書店』)
Author: ことり
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