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『2ひきのねこ』 宇野 亞喜良

評価:
宇野 亞喜良
ブロンズ新社
¥ 1,512
(2017-11-09)

実話に基づく愛猫の物語。
ぼくが赤ちゃん猫のときから、ぼくはももちゃんといつもいっしょ。ももちゃんと、のびをする。ももちゃんと、ひるねする。ももちゃんと、木にのぼる。木のうえはふたりの舟・・・。ぼくたちの幸福な日々は、ずっとずっとつづくと思っていた。
そんなある日、ちっちゃくてピカピカの子猫、すなこがやってきた――。

見返しには、「ジタンへ捧ぐ」の文字。ジタン(主人公猫・ボンボンのモデル)とすなこは、宇野さん宅で飼われている2ひきの猫なのだそうです。
だいすきなだいすきなももちゃんとの甘い蜜月は過ぎ去り、ある日「さばくの砂色のおにぎりみたいな」ちっちゃいすなこがやってきて、ボンボンとももちゃんの仲は乱されてしまいます。
やるせない。
なんだか いきているのが やりきれない。
恋人にそっぽをむかれてしまった男の子の気持ちがキュンとせつなく描かれてゆきます。かみさま、ねえ、どうして?あんなに幸福だったのに・・・。
死神みたいなシルエット、グラスごしのおおきな目玉、いとしいひとの面影をかさねる木の枝。ドキっとするようなアングルとうつくしいコラージュで描きだされるさびしく可哀想な恋心。
小悪魔っぽいきれいな顔したももちゃんはなんにも知らないふうで、気まぐれで・・・。

夢のようなひととき、ロマンティックなパリのカフェ(背後にはコクトー?ピカソ?)で、陽気な喧噪とコーヒーの香りにすべてが溶けてゆく場面が好き。頁のなかにほのかな色気がたちこめる、詩的でキュートな絵本です。


宇野亞喜良さんのトークショウに出かけました。
サイン本です↓
Author: ことり
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