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『みどりのスキップ』 安房 直子、(絵)出久根 育

大きな目玉をぴかぴかさせて、桜の木のてっぺんにとまっているみみずく。
桜林にあやしいものが入り込まぬよう、まい夜みはりをするみみずくは番兵でした。

あるとき、みみずくは満開の桜のしたにすわっているきれいな女の子に出逢います。花かげちゃんと名のった女の子は、桜の精。・・・桜がちったら消えてしまう運命。
みみずくが、花かげちゃんの顔をはっきりとみたのは、このときいちどきりでした。それなのに、みみずくは、この日から、かわいい花かげちゃんの番兵になったのでした。
みみずくは林のいりぐちの一ばん高い木にとまり、花かげちゃんを夜も昼も眠らずにまもろうとします。雨こぞうも、風のおじさんも、森の動物たちも・・・誰ひとり桜林に入れるものはありません。
ところがある日のこと、みみずくがちょっとうとうとしたそのすきに、
トット トット トット トット
高らかな足音が近づいてきたのです。
この足音は猟師でしょうか。雨こぞうでしょうか。それとも・・・?

すばらしく美しい桜の花の、けれどはかないいのち。
波のようにやってくる季節のうつろいが濃やかに歌われています。
――あまりにけなげで純粋な、‘せつなかわいい’恋のおはなし。
Author: ことり
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