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『ちいさなちいさな王様』 アクセル・ハッケ、(訳)那須田 淳、木本 栄

評価:
アクセル ハッケ
講談社
¥ 1,365
(1996-10-18)

この世の中のことは全て本当のことなのか?
僕の人差し指サイズの小さな王様。王様の世界では大きく生まれて成長するにつれ小さくなり、しまいには見えなくなってしまうという。
ドイツのベストセラー小説。

すてきな絵とお話で、たいせつなことを教えてくれる大人の童話です。
「僕」の家にほんの気まぐれにやってきた、ちょっぴり生意気なちいさな王様。グミベアーが好物で、「僕」の胸のポッケにすっぽりと入ってしまう・・・どんどん小さくなっていく王様は言いました。「実は、おまえたちも、同じように大きいところからはじまっているのではないだろうか」
そして、こう続けるのです。
「おまえたちは、はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。それに、幼いうちは、おまえたちは、知っていることが少ないかわりに、想像の世界がやたら大きいのではなかったかね?」

王様がおじいさまから相続したというたくさんの夢の箱たち。
からだはどんどん小さくなっていくのに、夢の箱だけはぎっしりと満たされいつまでも大きいままであり続ける・・・うんと小さくなったおじいさまはいまも巨大な夢にかこまれて夢のなかで暮らしている・・・すてきな王様たちの世界。
王様の言葉のひとつひとつが雨滴のようにすうっと心にしみました。
大人になるにつれ見失ってしまったたいせつな何かをそっと思い起こさせてくれるお話。心に余裕がなくなったなら、大人の事情にしばられたなら・・・、またいつかひらいてみたいな。

「どうなっているか知りたいのなら、想像してみればいいじゃないか」

(原題『Der kleine König Dezember』)
Author: ことり
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