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『夜な夜な天使は舞い降りる』 パヴェル・ブリッチ、(訳)阿部 賢一

プラハのとある教会では、守護天使たちが集い、自らが見守っている人間たちの話を繰り広げている。
ハンググライダーに熱意を注ぐアレックスの天使は過労気味で、ワイン作りにすべてをかけるチェニェクの天使は圧搾機でつぶされてしまう・・・。かつて美男子であったという天使は美しいアニンカに恋してしまい、サッカー選手アントン・オンドルシュの天使は一緒にゴールを決めた!あるじを裏切ってしまった天使や、ヴァスコ・ダ・ガマを見守りインド航路を発見した天使など、国を超え時も越えた天使たちのおしゃべりは、ワイン片手に夜な夜な続く。

人間たちが眠りについたあと、こっそり教会に集まっておしゃべりする天使たち――
聖具室のベンチに腰かけ、それぞれに見守っている「あるじ」の話をはじめる守護天使たちの、かわいらしいファンタジー。

でも、‘聖なる存在’なはずの天使たちがこの本ではかなり人間じみています。
守護天使がこれじゃあこまってしまう・・・!一ばんそう感じたのは『あるじを裏切った天使』でしょうか。魅力も能力も明らかに差がある双子の兄弟の、見劣りする弟の担当になったこの守護天使はあろうことか輝かしい兄の近くにばかり行ってしまったというのです。ただでさえかわいそうな弟は守護天使にも見放され、見知らぬ町で没落してゆき・・・というお話。(ラストは救いがあります)

人間じみた守護天使たちのおかげで、ふわふわやさしいばかりじゃなくて現実的な側面も感じられる物語。
大人はもちろん、子供たちにも楽しい一冊かもしれません。

(原題『Co si vyprávějí andělé? Fantasy všedního dne』)
Author: ことり
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