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『短篇で読むシチリア』 (編訳)武谷 なおみ

世界遺産を五つも有する地中海最大の島シチリア。ギリシア、カルタゴ、ローマ、スペイン・・・積み重なる支配の歴史は独特の文化をかたちづくった。火山エトナとマフィアの島としても知られる。
同時にシチリアは数多の作家を生んでいる。本書は19世紀から20世紀にかけてのシチリア作家の短篇集。デ・ロベルトに始まり、ヴェルガ、ピランデッロ、ブランカーティ、ヴィットリーニ、ランペドゥーザ、そしてショーシャまで7人の14篇はほとんど初めて紹介されるものばかりである。
ファシズムと戦争を挟んで、灼熱のなか、オリーブと葡萄酒、矜持と情熱、論理と諧謔にあふれたユニークな短篇を読むことは、この神秘の島への旅にも匹敵する文学の旅となるだろう。

19世紀から20世紀にかけての「シチリア文学」アンソロジー。
私にとっては少々重苦しくて、小難しく感じられた一冊でもありましたが、ランペドゥーザやピランデッロといった名のあるイタリア作家さんの短篇小説を味わえてとてもよかったです。
あかるい日ざしがもたらす美しい風土と、積年の暗く妖しい歴史から生み出されたお話たちは、なんともいえない独特の‘熱’を帯び、謎めいた島の魅力の一端をかいま見せてくれています。複雑で重層的な文化が文学のゆたかな土壌となる・・・それは考えてみれば当然のことなのかも。
小説を愉しみつつ、シチリアの歴史背景をひもときたい方におすすめしたいです。
私のお気に入りは、『ルーパ』、『ホテルで誰かが死んだので・・・』、『室内ゲーム』。

『ロザリオ』 フェデリーコ・デ・ロベルト
『金の鍵』 ジョヴァンニ・ヴェルガ
『ルーパ』 ジョヴァンニ・ヴェルガ
『真実』 ルイージ・ピランデッロ
『ホテルで誰かが死んだので・・・』 ルイージ・ピランデッロ
『免許証』 ルイージ・ピランデッロ
『二度とも笑わなかった男の話』 ヴィタリアーノ・ブランカーティ
『幸せな家』 ヴィタリアーノ・ブランカーティ
『生への疑問』 エリオ・ヴィットリーニ
『奴隷のような人間』 エリオ・ヴィットリーニ
『幼年時代の場所』 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ
『撤去』 レオナルド・ショーシャ
『言語学』 レオナルド・ショーシャ
『室内ゲーム』 レオナルド・ショーシャ
Author: ことり
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