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『しろいろの街の、その骨の体温の』 村田 沙耶香

季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反対の女の子と男の子が出会う――。
学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。

主人公は、小4の結佳(ゆか)。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹と親しくなり、やがて彼を「おもちゃ」にしたいという危うい欲望にかられていきます。
恋愛とも支配ともつかない関係をつづけながら彼らは中学生となり・・・。

ハァ・・・、読みながらなつかしい嫌悪感で胸がいっぱいになりました。
埃っぽい体育館のマットでぐるぐる巻きにされたみたいな、逃れようのない息苦しさ。
少女の、まわりを見下したような冷静さが時を追うごとに歪んでいく様子にため息がこぼれます。伊吹がじれったいくらいに健全すぎるから、なおさら。

白い骨がきしんだ音をたてる内側からの痛み・・・。不気味なスピードで広がっていく清潔で息詰まる住宅街が、「学校」という閉塞した世界での少女のひりつくような心の動きにかさねられています。
恋と友情、性の入り口、クラス内の暗黙の上下関係。
私自身はこんな大人びた少女ではなかったけど、あの頃たしかにあった‘女の子のリアル’が身体の奥からせり上がってきて、なんだかやるせないな・・・なんてざらざらした澱んだ気持ちにとらわれてしまいました。
Author: ことり
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