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『PK』 伊坂 幸太郎

PK
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,260
(2012-03-08)

おもしろい!恰好いい!・・・でもなんて混沌と入り乱れたお話でしょうか。
時系列に脈絡がないなかで、ほんの小さなことがつぎつぎ繋がっていくものだから、じっくり読まないと置いていかれそうになります。そしてそれでも最後まで分からないぶぶんもちらほらあって・・・。はあ、SFって、ややこしい。

『PK』
PK戦での小津選手の謎、お父さんが息子たちに聞かせる気の毒な「次郎君」の話、主義をつらぬくことを悩む作家、かつて子どもを救ったことのある大臣とその秘書官――彼らひとりひとりのエピソードがくるくる連なり、広がっていく。
「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」

『超人』
『PK』で、居酒屋の男女の会話にでてきた「予知能力をもった殺人鬼」のお話。
誰かを殺そうとしている悪人を予知できるという本田青年。彼は先回りして、殺人が起きるまえに未来の殺人犯を殺している。この本田が大臣に救われた子どもで、その大臣は未来の殺人者で・・・?

『密使』
握手をすることで、その人の時間を6秒だけ盗むことができる「僕」と、謎めいた機関に招かれ、タイムパラドックスのレクチャーを受ける「私」。
「時間の流れを変化させることで世界の危機を救える」 その信念のもと、青木計測技師長は過去に「密使」を送りこもうとするが、そこにもうひとつの手がのびる。

いくつもの人生が連鎖して、繋がっていくさまがすごく気持ちのいい物語でした。
『密使』まで読んではじめて3編を結ぶゆるやかな糸が俯瞰できます。でも、『PK』が「密使」を送りこまれた世界で、『超人』は送りこまれなかった世界だということは分かるのだけど、このふたつの世界は果たしてパラレルワールドなのかしら・・・?SFの構造についてはちょっぴり腑に落ちない私です。
ただ、ある人の勇気が伝染し、それが新たな決断や信念を生み、子どもに明るい未来を信じさせ、彼らのおかげで世界は未曾有の危機を回避できる・・・のだとしたら、こんなすてきなことはないなぁと晴れやかな気持ちになりました。未来は明るいって信じたいし、私も勇気をだしてみたくなりました。
いつもあと一歩のところで、きゅっと引っこめてしまう勇気を。
Author: ことり
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