<< 『夢の浮橋』 谷崎 潤一郎*prev
『たのしいムーミン一家』 トーベ・ヤンソン、(訳)山室 静 >>*next
 

『ムーミン谷の彗星』 トーベ・ヤンソン、(訳)下村 隆一

「ムーミン童話全集」(全8巻+別巻)を読みはじめました。
ほのぼの可愛いアニメの印象しかもっていなかった私ですが、原作はもう少しシビアな感じ。とくにこの第1巻は、じゃこうねずみの不吉な予言がのどかなムーミン谷に暗い影を落とします。

小さな生きものたちがたくさん幸せに暮らしているきれいな谷間。
野原のまん中を川が流れ、大きな木が青々としげり、ムーミントロールもスニフもイキイキしています。でも、ムーミンパパがわたした橋のせいで家をうしなったじゃこうねずみが、一家のところへやってきて言ったのです。地球はほろびるのだと。
ムーミンもスニフもすっかりふさぎこんでしまいます。そんな二人にパパとママは、天文台への旅をすすめました。大彗星をしらべるための長い長い冒険。海はなくなっちゃうし、黒色の雨は降るし、暗闇のなかを危険な旅をしなくてはなりません・・・。

この旅の途中でムーミントロールたちは放浪のムムリク・スナフキンに出逢い、スノークの兄妹をピンチから救いだします。危機的状況のなかでも、なんとも言えずおっとりとした雰囲気がつつんでいて、そっと大切なものをのこしていってくれる物語。
「なんでも自分のものにして、もって帰ろうとすると、むずかしいものなんだよ。」
「もちものをふやすというのは、ほんとにおそろしいことですね。」
そんなふうに話すスナフキンは、たったひとつハーモニカを大事にしています。
自分の大切なものをちゃんと知っている人って頼もしいな、改めてそう思いました。

(原題『Kometen kommer』)
Author: ことり
海外ヤ・ラ・ワ行(ヤンソン) | permalink | - | -
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -