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『バティストさんとハンガーブルグ=ハンガーブルグ伯爵のおはなし』 ルドウィッヒ・ベーメルマンス、(訳)江國 香織

正直で忠実なバティストさんは長いあいだ、あちこちの王さまやお姫さまのもとではたらいてきました。でも今は猫と二人きり、さびしい暮らしをしています。そんなある日、バティストさんは九番屋敷というお城にすむ伯爵のもとではたらくことになりました。
「マドレーヌ」シリーズの作者ルドウィッヒ・ベーメルマンスがえがくユーモアたっぷりの楽しいお話です。

バティストさんのたんすには、色違いのりっぱな制服が7着と、金のとめがね付きのぴかぴかの靴が7足と、黒いりぼんで結ばれたかつらが7つはいっています。曜日ごとにまいにち着替えるので、人びとはみんなバティストさんの制服の色でその日が何曜日かわかりました。
そんなバティストさんが九番屋敷のハンガーブルグ=ハンガーブルグ伯爵にお仕えすることになるのですが、あたらしいご主人さまは何にでもぴったりの名前をつけたいと言いはじめ、まわりのものの名前を片っぱしから変えてしまいます。
犬は「互いに、互いの、友達」、バティストさんは「何か持ってくる」、階段は「足持ち上げ」、ベッドは「夢の箱」・・・そんなふうに。
忠実な執事・バティストさんは指折り数えながら名前をおぼえますが――?

ずらりとならんだ色違いの制服たち、
生活感あふれるお部屋ごとのディテイル、
気ままなご主人と忠実な執事・・・
ベーメルマンスさんらしいこだわりが本の随所にほのみえます。
ものの名前を変えたことが生み出すとんちんかんな会話にくすり。ラストはけっこう深刻なのに、「あらまあ」とでも言うようなあっけらかんとした余韻がただよいます。
のびやかなカラーイラストですみずみまで楽しい、愉快な物語絵本です。

(原題『THE CASTLE NO.9』)
Author: ことり
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