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『星を運ぶ舟』 前田 昌良

評価:
前田昌良
求龍堂
¥ 1,575
(2011-11-08)

アルネの遺品』(ジークフリート・レンツ)や『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子)などの装画を手がけられた芸術家・前田昌良さんの作品集です。
端正な絵画と動くおもちゃで構成された、余白さえも美しい慎ましやかな小宇宙。

ゆらりゆらり・・・ ふらりふらり・・・
どこかぎこちなく、あやうげに均衡をたもつ小さなおもちゃたち。
そこには人生の戸惑いだとか不安、孤独がうつし出され、息を詰めたような沈黙世界がひっそりとひろがっています。
それはまるでリトル・アリョーヒンの人生そのもののよう。
あまりにも美しく、あまりにも頼りなく――、あまりにもしずか。

冒頭に、小川洋子さんの寄稿エッセイがあります。
からだの中に棲みついている小さな少年が、いくつかのエピソードを星座のように結びつけ‘物語’にしてみせてくれたお話です。少年のかすかな足音に耳をそばだて、小川さんが蜘蛛の糸を編むようにそっとつむぎ出してくれた『リンデンバウム通りの双子』(『まぶた』所収)を、小さな少年のささやかな気配を感じながらもう一度読んでみたくなりました。
Author: ことり
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