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『ジーノの家―イタリア10景』 内田 洋子

在イタリア30年の著者が目にしたかの国の魅力溢れる人間たち。忘れえぬ出会いや情景をこのうえない端正な文章で描ききるエッセイ。
第59回(2011年)日本エッセイスト・クラブ賞と第27回(2011年)講談社エッセイ賞を受賞。

イタリアでかれこれ30年も暮らしている著者による、イタリアエッセイ。
実際に見聞きしたエピソードや関わってきた人びとが、鮮やかな色彩や匂いをともないながらイキイキと描写されています。イタリアの素晴らしさや魅力はもちろん、雑誌などでは紹介されることのない深い影のような暗部にも触れられていて、彼女がまるごとこの国を愛しているのが伝わってきました。

イタリアで暮らすうちに、常識や規則でひとくくりにできない、各人各様の生活術を見る。行き詰まると、散歩に出かける。公営プールへ行く。中央駅のホームに座ってみる。書店へ行く。海へ行く。山に登る。市場を回る。行く先々で、隣り合う人の様子をそっと見る。じっと観る。ときどき、バールで漏れ聴こえる話をそれとなく聞く。たくさんの声や素振りはイタリアをかたどるモザイクである。生活便利帳を繰るようであり、秀逸な短編映画の数々を鑑賞するようでもある。(あとがき)

名もない人たちの、無数のふつうの生活。
そんな中からひろい集めたイタリア人たちのドラマティックな人生が、ミラノ、ナポリ、シチリアなどの風土とともに、味わい深い余韻をのこします。
Author: ことり
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