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『悪い娘の悪戯』 マリオ・バルガス=リョサ、(訳)八重樫 克彦、八重樫 由貴子

評価:
マリオ・バルガス=リョサ
作品社
¥ 2,940
(2011-12-23)

50年代ペルー、60年代パリ、70年代ロンドン、80年代マドリッド、そして東京・・・。世界各地の大都市を舞台に、ひとりの男がひとりの女に捧げた、40年に及ぶ濃密かつ凄絶な愛の軌跡。
ノーベル文学賞受賞作家が描き出す、あまりにも壮大な恋愛小説。

遠く眩しいペルーのあの夏、少年リカルドを夢中にさせたニーニャ・マラ(悪い娘)。
その後、生涯をかけて彼女の‘愛の奴隷’になってしまったひとりの男の物語です。

「でも、いまだに私を愛してる。そうでしょう?」
ふらりと目のまえに現われては、上から目線で愛をためすニーニャ・マラ。そんな彼女がふとのぞかせる弱気な一面――たとえ、それが一流の演技だとしても――についいつも気をゆるし、変わらぬ愛を誓ってしまうリカルド。
リカルドのあまりにも安定した愛の器は、ひらひらと蝶ちょみたいに自由で気高いニーニャ・マラにとって自分らしく生きられる場所ではなく、時たま羽根を休めるための場所・・・。でも彼の愛を貪り、彼のもとを去り、また何度でも舞い戻ってくるなんて、これもひとつの愛のカタチなのですよね。きっと、そう。
「忠告しておくわ。私といる限り、絶対に平穏な生活なんかさせないから。(中略)私はずっとあなたの愛人、雌犬、娼婦でいたいの。今夜のように。そうすればあなたはいつまでも私に夢中でしょう」

激しくて、痛々しくて、なのにふしぎと温かな読みごこち。
こんなふうにしか生きられない人生は哀しいものでもあるのかもしれないけれど、どこを切りとっても濃密な愛がしたたってきそうなふたりの人生が、私は好き。
最後の言葉には思わず心がほころびました。ふふ、ニーニャ・マラらしいな。

(原題『Travesuras de la niña mala』)
Author: ことり
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