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『小さな手袋』 小沼 丹

日々のささやかな移ろいの中で、眼にした草花、樹木、そして井伏鱒二、木山捷平、庄野潤三、西条八十、チエホフら親しんだ先輩、知己たちについてのこの上ない鮮やかな素描。
端正、精妙な、香り高い文章で綴られた自然と人をめぐる、比類なく優しい独得のユーモアに満ちた秀抜なエッセイ。

じわじわ、ほっこり。心が柔らかにほころぶ随筆集。
親しい人とおいしいお酒をいただいているような、くつろいだ気持ちで読みました。
可愛らしい手袋の話の顛末に、テレビについての愉快な一部始終(これ、どこかで読んだ憶えがあると思ったら、短篇集『黒と白の猫』にそっくりおなじ顛末が書かれています。)――
「うちの蝦蟇」のお話、逃げだした山雀のお話、長距離電話のお話・・・お気に入りを挙げていくとキリがないけれど、どれもしっとりと静謐なのにユーモアにあふれていて愛おしい。
美しい文章のなかにゆるりとあたたかな視線を感じ、心地よい余韻がのこります。
Author: ことり
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