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『マイマイとナイナイ』 皆川 博子、(絵)宇野 亜喜良

おとうとを みつけた。
ちいさい ちいさい
おとうとを みつけた。

美しく、おぞましく。みごとに絡みあうことばと絵。
美しく、おぞましく、甘やかな毒が私を侵す。
孤独な少女マイマイは、こわれた眼球のかわりにくるみの殻をはめました。くるみのなかにはちいさいちいさい弟のナイナイをこっそりかくして。
少女が眠りにおちると、弟はそっと殻をあけ・・・

夢のなかのくるみ。くるみのなかの夢。
マイマイのなかのくるみ。くるみのなかのナイナイ。
くるみにとじ込められたマイマイの心。くるみに腰かけるナイナイ。
おはなしの内と外がするりくるりと入れ替わるたび、私の心がざわめくのです。
とじ込められたのはほんとうにマイマイなの? それとも、もしかしたら――

ゆめは きえない。
あさに なっても、
あかるく なっても、
よるの ゆめが でていかない。

あふれ出した夢の渦に引きずり込まれ、あてどなく彷徨う囚われの少女。
耳をすますと、遠くかすかに誰かの声がする・・・それは私の気のせいでしょうか。
Author: ことり
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