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『あやかし草子―みやこのおはなし』 千早 茜

いにしえの都に伝わるあやかしたちを泉鏡花文学賞作家が繊細な筆致で紡ぐ摩訶不思議な物語。
「鬼の笛」「ムジナ和尚」「真向きの龍」「天つ姫」「機尋」「青竹に庵る」の6篇を収録。

行間から立ちのぼる濃霧のようなひやりとした妖気。
日本古来の艶やかに美しいおぞましさ。
・・・ああ、これぞ千早さんの世界だなあと思います。
人びとをかどわかす妖(あやか)したちの哀しい物語6篇。ひとたび頁をめくれば、物の怪がひたひたと行き交ういにしえの都が広がっています。この世ならざるものたちのかすかな息づかいがそっと耳元をかすめ、沈黙さえも雄弁になにかを語り、甘やかな闇に放たれてゆくよう。
私の心にのこったのは、人を狂わせる笛の音がついには笛吹きの男を狂わせてしまう『鬼の笛』と、人に化けた獣が涙と哀しみの心を知ることになる『ムジナ和尚』。
残酷さと美しさが織りなす、つめたくくぐもった風雅な怪異譚の数々でした。
Author: ことり
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